2011年1月8日土曜日

Playdates make you learn more about America

渡米した2004年の夏、娘は1才半でした。まだ子育ては手のかかる頃で、もちろん四六時中、何をするにも行動が一緒でなければなりませんでした。
一方、「アメリカで先ず何をしたいか。」と渡米前から考えていたのは、「どうしても英語が話せるようになりたい!」ということでした。英語を勉強するには、英語のクラス(ESL)*に通うのが普通かもしれません。しかし子育て中ということもあり、学校などに通う時間はありません。また以前、“英語は絶対、勉強するな!”という本を読んで、英語は勉強するものではなくて、身につけるものだと思っていましたし、そのためにはローカルの人とお友達になることが先決だと考えていました。

自宅から徒歩で10分、車で2分とかからないくらいの場所に、たまたま親子で参加できるプリスクール“Preschool”**があることを知り、早速8月末からそのプリスクールに通うことにしました。クラスは年齢別に分かれていて、まだ娘の年齢が幼いので週に1度ですが、保護者同伴が必須条件でした。「親子で参加」というのは、勝手の分からないアメリカへ来て間もない私たち母娘にとっては好条件でしたし、娘にお友達がそろそろ欲しいなと思っていた頃でもあったので参加することにしました。特にこの時期の娘は人見知りが激しくて、なかなか私のそばから離れることもなく、引っ越したばかりの家では泣いてばかりでした。

アメリカの学校では一般的に、新学期が始まる前にオリエンテーションがあります。その当時、英語の聞き取りに全く自信のなかった私は、できれば主人と一緒に参加したかったのですが、娘を連れて行くことができないので、主人が娘とお留守番ということになってしまいました。実際に、クラスに娘と参加するのは私ですので仕方なく出かけることにしました。とても緊張する中、主人と娘が手を振りながら見送ってくれながら、車でガレージを出たことを今でもしっかり覚えています。

オリエンテーションでは、先生がペラペラと早口で何かを説明しています。恐らく、90%以上、分かっていなかったと思います。そんな中たった一つだけ、あるママが質問した“スモックなどの洋服の上に着るものは必要ですか?”というような内容とそのやり取りは何となく分かりました。。

クラスへ参加すれば、地元の人とお友達になれるチャンスもあります。そこで知り合ったのが、前のブログにも何度か登場しているHeidiです。
初めてHeidiから、“Are you Japanese?”と話しかけられて、はっきりとどう返したかは覚えていませんが、恐らくしどろもどろに“Yes...”とだけ答えたのではないかと思います。
日本でまともにアメリカ人と英会話をしたことのない私にとって、本物(当たり前のことですが)のアメリカ人に話しかけられるのはどれほど緊張するか…帰国した今、思い返してみてもあの頃は本当に宇宙にでも行ったくらいの感覚だったのだと思います。
実はHeidiは、“Japanese American”でした。お父さんは“German American”でお母さんは“Japanese American”です。それを聞いて、とても親近感が湧きました。また、偶然にもオリエンテーションで質問していたのが、Heidiだということも覚えていました。

その夜、夫にプリスクールでの出来事を話して、とても好感の持てるHeidiという女性に会ったので、今度は私から“どの公園で遊んでいるの?”と尋ねたいけど、何て英語で言えば良いのかと相談しました。そんな簡単なことでも、何をどう英語で話して良いのかわからないくらい無知だったのです。日本語だったらすぐに親しく会話ができるのに…私にとっての言葉の壁でした。

翌週、クラスが終わった後、“Which park do you go?”とHeidiに尋ねました。すると彼女は、その数日後の朝、私の家を訪ねてきて、“We are going to Central Park. Can you come?” と言いました。
その公園へは行ったことはなかったのですが、地図をもらって何とか車で行くことにしました。車の運転は不慣れ、道も分からない…でもせっかくお友達になれるチャンスです。娘にとっても同じ年頃のお友達ができる良い機会と思って、とにかく行ってみました。

毎週クラスが終わった後は、Heidiが声をかけた何組かのママと子供たちで、“Burger King”へ行くことになりました。“Burger King”には、遊具があるので、子供たちはそこで遊ばせて、ママたちは座って話すことができます。それからは毎週、集まれる人が集まるようになり、徐々にプレイデート“Playdate”という形になりました。

その中のママの一人に、“Are you Japanese? All blood?”と訊かれた時には驚きました。みんな、それぞれに人種が混ざっているのが当たり前のアメリカです。国は様々、ヨーロッパ系、南アメリカ系、アジア系、中東系、アフリカ系の各国の血が混ざっています。それも一人に2つどころか、ルーツをたどると3つ4つの人種が混ざり合っていることになります。その昔、大学のアメリカ文化史の授業で「人種のるつぼ」“Melting Pot”という言葉を学びましたが、正にこれがそうだと実感できる瞬間でした。

一方、日本人は100%日本人であることが当然ですので、今まで人種やその構成について深く考えることはありませんでした。最近でこそ、都内ではアジア系を中心に世界各地から集まった人々を頻繁に見かけるようになりました。と同時に国際結婚の率は全国平均で4.9%(2009年)***、東京都23区内では10.1%(2005年)****になるそうです。一部の地域で少しずつではありますが、人種の多様化“Diversity”の傾向が見られるようです。

実際、23区内の公立小学校に通う娘のクラスには、“オーストラリア人の父と日本人の母”、“日本人の父と中国人の母”、“両親が中国人”などのお友達がいます。「人種のるつぼ」であるカリフォルニアから帰国した直後の娘(感覚としてはアメリカ人に近い子供)にとっては、とてもプラスの環境となりました。

子供にとっては、小さい頃に出会ったお友達が、日本人であっても日本人でなくても関係ありません。また生まれ育った環境が違うことを気にしたり、非難されることもないのです。お互いがお互いを尊重して、ありのままを受け入れることができる…これから国際人を多く育てていくために、先ずは日本人が人種のことを理解し受け入れる寛容さが必要だと思います。

*ESL:English as a Socond Language ESLは英語を母国語としない人のための英語のクラスです。市民センターの講座やカレッジなどで受講できます。申し込み時にテストを受けて、クラス(初級・中級・上級など)が決まります。 

**プリスクール“Preschool”:アメリカでは0歳から教育の準備段階としてプリスクールがあります。プリスクールでは独自のカリキュラムに基づいて、絵本の読み聞かせ、童謡を歌う、楽器に触れる、アートワーク、体を動かして遊ぶなど、色々なことを体験します。年齢が低い場合は、週に1度程度、2-3歳からは、週に2-3度通うようです。教育方針や内容はスクールによって様々です。4歳からは、Pre-KやJr.Kのように、5歳からのKidergarten入学に向けてのアカデミックなカリキュラムに変わるところが多いようです。週に3-5度通います。

***4.9%(2009年):国際結婚の動きより抜粋

****10.1%(2005年):都道府県別 国際結婚の割合ランキングより抜粋

2 件のコメント:

  1. Oh, Wakana! I just love to see those photos! They were so small!!
    I am so happy that we found each other! :)

    返信削除
  2. Hi Heidi! I never forget our first preschool experience. It was a new adventure for us in California.

    返信削除