2011年1月16日日曜日

IKUMEN-the Role of Fathers

South Lake Tahoe
July, 2009
日本での子育て環境は社会的に年々向上していると言えます。自治体によってその内容は異なりますが、子供の医療費が無料であることや、子供手当の支給、保育園や幼稚園の預かり時間の延長など、私が2002年に娘を出産した当時と比較しても数段改善されていると思います。
ただ本当の意味で子育て環境を良くするには、父親の育児参加が必要であると言えます。近頃、積極的に育児に参加する男性を「イクメン」*と呼び、その新しい言葉を頻繁に耳にするようになりました。またそれに関する記事を読む機会も増えました。

男性が育児のために会社を休む育児休業(以下、育休)の取得率**は、1.72%(2009年度)という低水準だそうです。ちなみに女性は、85.7%だそうです。私も娘を2002年の12月に出産し、2003年の12月末まで育休を取得しました。当時働いていた会社では、事務職の女性で育休を取得する例がほとんどなかったので、私の育休取得が今後の働く女性社員の好例を示し後に続くようにと、職場の厚意に100%甘えさせてもらった結果、1年間まるまる休むことができました。

果たして父親が私と同じように育休を取得することは可能なのでしょうか。2003年の時点では、夫に育休を取得してもらうことなど考えたこともありませんでした。但しもう一度、私自身に育休取得の必要が生じた場合であっても、現在の主人の仕事の立場や状況を考えた場合、1週間の育休を取ることさえ決して容易なことではないと理解できます。

昨年の夏、友人に4人目の子供が生まれました。そして先日、そのご家族に久しぶりに会うことができました。そこでの話の中で、友人のご主人が元祖「イクメン」ということで盛り上がりました。初めての子供が生まれたのは、2002年1月。今から9年前のことですが、当時からご主人は育児に積極的で協力的でした。若い父親がベビーカーに赤ちゃんを乗せて散歩をしている様子は、ご近所ではちょっとした有名なパパさんだったそうです。

「たまたま自宅で仕事の出来る環境だったから」とそのご主人は言いますが、それでも仕事をしながら子供の面倒を見るというのは並大抵のことではないと思います。やはり違うのは、ご主人の育児に対する高い意識であると言えると思います。そのご家庭は少子化と言われる時代の中、2人目、3人目、そして昨年4人目を授かり、ご主人は休日になると子供たちのサッカークラブの審判も引き受けているそうです。子育てに関してとても理想的で円満な家庭を築いていると思いました。

アメリカで有名な観光地を旅行中に遭遇した場面ですが、あるアメリカンレストランで両親と息子2人(高校生くらいだったと思います)のご家族と隣り合わせになりました。こういう家族旅行の風景はアメリカでは日常のことですが、恐らく日本では、家族が揃って旅先のレストランで食事をするという光景に出会うことは珍しいことだと思います。と言うのも、子供が小学生くらいまでは家族旅行の機会が頻繁にあっても、中学生くらいになってしまうと家族一緒に行動することが極端に少なくなるからです。
これは一体何を意味するのか考えてみたのですが、幼児期の大事な子育ての時期に父親が子供にどれだけ関わったかという影響力によるものではないかと思います。

古くから日本では、仕事は父親、子育ては母親と役割分担されていました。子供の学校教育や習い事に父親は関心を持たなかったというのが現実のようでした。もちろん、家庭ごとにその差はありますし、昔から家庭思いの父親も存在したはずです。

アメリカで男性が育児に関わるということは、とても自然であり当然でもあるということがよくわかります。アメリカで働く女性が出産後、仕事に復帰するまでの期間は、私の知る限り、出会ったどの女性も3ヶ月というとても短い期間でした。また出産時にはご主人が会社を休む(有給休暇)こともあり、大抵1週間から2週間ほどでした。もちろん両親が来てくれたり家事を手伝ってくれる人を雇える場合は、ご主人が会社を休まなくても良いかもしれません。もともと残業や仕事の後の飲み会といった日本では当たり前の概念はなく、仕事が終われば真直ぐに帰宅しますし、育児を手伝うのがごく自然な流れになるのでしょう。

子供のプリスクールや学校の送迎には、大体半分くらいは父親が来ていました。中には、毎朝気さくに会話をするお父さんもいたくらいです。とりわけ金曜日は、娘の学校のお迎え時間(午後3時)に両親が揃っている姿を見かけたものです。

平日の夕方、公園では子供と遊ぶ父親、サッカーや野球チームのコーチをする父親、スーパーマーケットでは子供と一緒に買い物をする父親の姿もよく見かけます。友人のKatjaのお宅では、ご主人が帰宅すると、さり気なく夕食のためのテーブルセッティングを手伝ったり、子供たちの宿題をいつも見てあげていました。アメリカにはあちらこちらに見本となる“Ikumen”の Daddyがいるのです。

日本で男性が育休を取ることができない場合は、出勤時間を遅くしたり、残業や出張の負担を少なくしたりするなどの配慮があれば、夜だけでも育児を手伝うことが可能となります。ただ実際に仕事のペースを落として職場に気を遣ってまで育休を取得する気があるのか、できるのか。現実問題として、その判断はとても難しいと思います。。

Let's cook!
Nov. 2004
それでも平日は忙しくて育児を手伝うことができなくても、週末は時間をやりくりすれば可能でしょう。子育ては誰の仕事でもなく、父親と母親に責任があるのです。父親がどうやって子供に関わっていくか…宿題を見てあげる、公園に散歩に行く、スポーツをする、料理を作るなど父親ができることを子供と一緒に実践すれば良いと思います。

子供が中学生になっても高校生になっても家族旅行ができることが我が家の目標の一つでもあります。それが目標で終わることなく今と変わらず家族一緒に過ごすことができる…そんな家族を目指して子育てをしていきたいものです。

今後多くのイクメンの活躍によって、将来の日本を担うであろう子供たちが真直ぐとすくすく育ってくれることを望みます。

*イクメン:育児にチャレンジする“養育男子”-彼らが「イクメン」、すなわち“育メン”なのです。
『ザ・イクメン』 Prologue セイン カミュ著より引用
 
**育児休業の取得率:2010年7月16日厚生労働省による発表。育児休業中は、一般的に無給だそうです。

2 件のコメント:

  1. Yes, Daddies are very important to their children! We are so lucky to have such wonderful husbands!

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  2. I learned many things with you and your husband. It was so impressed! Because we are in different cultures.

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